パールイデアの新作什器シリーズ “PIPELINE(パイプライン)”。2023年7月のデビューから、多くのお客様よりご好評いただいております。
今回は、プロジェクト発足から約1年半の期間、トライ&エラーを繰り返しローンチに至るまでの背景を、お客様の導入実例と共にご紹介いたします。
キッカケはコロナ禍?空床スペースをなんとかしたい!
コロナ禍や消費不況・EC拡大により大型商業施設のテナント空床区画が増えています。そんな空床スペースに催事やPOP UP STOREで出店を考えたとしても、店舗環境を整えるのは時間も費用も労力も掛かってしまいます。そんな現状を鑑みて、環境を含む空間全てをレンタルで変化(ブランドイメージ)が出しやすく「誰でも簡単に・区画に合わせて自由自在に・ジョイントするだけでショップ空間が作れる」什器が作れないかと考えたのが最初のキッカケでした。
そこで建築工事現場で仮設足場材として使用される単管パイプに着目。しかし通常の什器製作は、金物の溶接や木工へネジで固定する設計が多い中、単管パイプは工業用のジョイントパーツやクランプを用いて固定をしています。開発チームにとって、初めて使う材料であり、日々悪戦苦闘の連続でした。
またレンタル事業を展開するパールイデアでは、長期で利用できる構造に加えて、軽量化も考えなければなりません。そこでまずは、アルミパイプに着目しました。鉄の1/3の重量であるアルミニウムは、リサイクルする際に少ないエネルギーで再生産することが可能で「リサイクルの王様(リサイクルの優等生)」とも称されるサスティナブルな素材です。錆びにくく品質が劣化しにくい点もリサイクルしやすい理由の一つであり、長期利用するレンタルにも向いています。
そして丁度その頃、岐阜県飛騨市広葉樹活用推進コンソーシアムで推進されている「飛騨市広葉樹のまちづくり」プロジェクトのお話しをいただきました。飛騨市内の広葉樹は細い「小径木」が多いため、伐採した木のほとんどが機械で小さく切り刻んだ「チップ」となり、安価な紙の原料や発電などの燃料として、安い価格で市外に出ていってしまいます。この小径木の価値を高めていかなければ、森林への適切な手入れを持続的に行うことができません。そこで、立ち上がったのが「飛騨市広葉樹のまちづくり」です。目指すは広葉樹の新たな活用方法を生み出し、そこから生まれた利益が森林に還元される持続可能な仕組みをつくること。この間伐材である、飛騨の広葉樹を什器に使えないか?開発魂が揺さぶられました。
そんなプロジェクト1年目は、固定観念にとらわれず、様々な形・サイズにて、試作&確認会を継続実行しました。
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2年目 – テストマーケティング開始!
プロジェクト2年目に差し掛かり、ある程度方向性が固まりローンチの日程も定まってきた頃、プレリリースのチャンスが巡ってきました。まだ開発段階ではあったものの、テストマーケティングも兼ねて、実際にお客様にご利用いただく機会を頂戴したのです。
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開発チーム以外のスタッフで組立を行うことは初めてだったため、什器がちゃんと組立ててもらえるのか心配していましたが、現場は思いのほかスムーズに進行。この際、商品準備→出荷→現場組立 といった一連の流れを経験出来たことが、リリースへ向けて大きな前進となりました。
「PIPELINE」として満を持してリリース!
プロジェクト発足から約1年半のトライ&エラーを繰り返し、ようやくデビューできたこの什器ですが、肝心のネーミングは最後の最後まで決まりませんでした。開発当時はコロナ禍真っ只中で、お客様と直接お会いすることが難しくなっている状況・・・そこでこの什器がどこまでも繋がるコンビナートのパイプラインのごとく お客様へ弊社の想いを届けてくれるように、「PIPELINE(パイプライン)」と命名しました。
シーンに合わせて選べる3シリーズを、お客様の導入事例と共にご紹介します。
PIPELINE FIXTURE(パイプライン・フィクスチャー)
完成品を置くだけで手軽に使える什器シリーズ「PIPELINE FIXTURE(パイプライン・フィクスチャー)」は、ハンガーラック・テーブル・シェルフ・レジカウンターなど、店舗づくりに必要な什器バリエーションを揃えております。
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PIPELINE BASIC(パイプライン・ベーシック)
ベーシックなパーツのキットがセットになった「PIPELINE BASIC(パイプライン・ベーシック)」は、ヤグラ型のフレームをベースに、陳列に合わせてパーツを組み合わせることが出来、ショップインショップやポップアップストアなどの特別な空間を簡単に作れます。サイズはW2400×D2400×H2400 と W3600×D3600×H2400の2タイプ。
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PIPELINE CUSTOM(パイプライン・カスタム)
空間のサイズに合わせて自由にカスタマイズ出来る「PIPELINE CUSTOM(パイプライン・カスタム)」は、自由な大きさや組み合わせにカスタマイズすることで、店舗やポップアップストア、展示会、店頭VPに於いて特別な空間を作ることができます。ご要望に沿った形となるよう図面やご提案資料をパールイデアが作成し、場合によっては仮組みを行い事前検証のうえ納品いたします。
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レンタルだからすぐに空間が変えられます!
消費者向けのシェア・レンタルビジネスは活況で、身近な洋服から車など、さまざまな商品のレンタルがネットとスマホによって可能になりました。実際、シェアリングエコノミーの市場規模はどんどん大きくなっており、今後も拡大が予測されています。私たちの空間ビジネスに目を向けると、随分前からこのレンタルの仕組みが活用されてきました。
パールイデアはBtoBの販売促進支援企業として、店舗に必要なマネキン・什器・各種備品を数多く取り扱っています。その商品の多くは、「レンタル」商品であり、必要な時ご利用いただき、使用が終わったら返却をするだけの手軽さでお客様にご好評をいただいております。
今回ご紹介した “PIPELINE(パイプライン)”は、今までの「置き式什器」だけに留まらず、環境を含む空間全てをレンタルで変化させブランドイメージを打ち出す事が出来ます。あらためて価値が見直されるリアル店舗での買い物。お客様のショッピングがより良い体験となるように、弊社の什器レンタルサービスをぜひ皆様にご活用をいただきたいと思います。商品・サービスに関するご質問等は、弊社問い合わせ窓口、または各担当営業までお気軽にお問合せください!
PIPELINEのラインナップについては、こちらのWEBカタログをご覧ください
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弊社が輸入販売代理店を務める、仏マネキン”Window France(ウィンドーフランス)”担当。また、国際部として自社貿易の指揮官。好きな街はカナダの “Montreal(モントリオール)”。