街を歩けば大型ビジョンやデジタルサイネージなどを目にする機会が増えました。何よりも「サスティナブル」というキーワードも相まって、様々な施設でサイン・ポスターなど紙を使用する媒体からサイネージなどのデジタル機材へ移行している経緯もあります。

そういったデジタル機材で流れている加工映像を「モーショングラフィックス」と言います。名前の通り、モーション(動き)+ グラフィックス(写真やイラスト・図形・記号・文字などの視覚的要素)を掛け合わせたモノを差します。今までは価格の高いハイエンドPCを利用しないと制作ができませんでしたが、PCの価格が下がり性能も上がったことで、誰でも映像制作ができる世の中になり、様々なシーンで多用されるようになったのです。

今回は、そんな身近な存在となった「モーショングラフィックス」の魅力をご紹介します。

 


 

モーショングラフィックスの魅力

 

モーショングラフィックスの最大の魅力としては、印象に残りやすいという点です。広告だとわかっていても動画やCMで目にした動き・音楽などを思い出してふと口ずさんだり、動きを真似たりした経験はありませんか?YouTubeやTikTokなど動画配信コンテンツの台頭により、数秒の動画ですら簡単に話題になることも多くなりました。

これはモーショングラフィックスがポスターやチラシとなどと比較して

  1. 視覚的に理解しやすい(メッセージの動きと表現を追加する事により、余計な説明文が不要になり要点だけ伝える事ができる)
  2. 印象に残りやすい(動き次第では強く印象付ける)
  3. 表現の幅が広がる(すでにあるチラシなどでも動かすことで再表現ができる)

といった点があり、広告と分かっていてもつい注目してしまう効果があるのです。

これを踏まえて昨今では、各企業が自社のロゴに動きを加え、アニメーションロゴでアピールすることが一つのトレンドとなっています。 弊社を紹介するモーショングラフィックス2本を参考に見ていきましょう。パールイデアはどんな会社か?を2分間のムービーで紹介しています。これまではパワーポイントを使いながら各営業が説明していたことが、この動画1本に集約されています。

 

また、弊社の強みでもある造形に関しては、3Dオブジェができるまでを凝縮。3Dオブジェと言ってもピンと来ない場合も、これなら何がどんな工程で作られるのかを直感的に伝えることができます。

 

翼の3Dオブジェ製作PV。この様な製作プロセスも一工夫加えることでより宣伝効果のあるプロモーション映像になります。

 

 

モーショングラフィックスで空間演出の幅が広がる

 

モーショングラフィックスの活用方法は、CMや広告として伝えるだけに留まりません。空間演出の幅を広げる事もできるのです。

例えば、花びらが舞う映像を壁面に投影することで、季節を問わず春を感じさせる空間を作り上げたり、誘導サインに動きを加えることでより直観的に分かり易いサイン表示を演出することも出来ます。

モニターやプロジェクターの投影機材も年々進化し、比較的安価で揃えることが出来るようになったため、映画やテーマパークの様な世界観を日常に入れ込めるようになってきました。その例として、プロジェクションマッピングは立体物をキャンバスと見立て、映像でさらに多彩な表情を加えることが可能になったのです。

 

また、プロジェクターを用いることでさらにモーショングラフィックスの表現方法の幅が広がり、非日常を体験できる空間を作ることも可能です。

翼へ投影したプロジェクションマッピング。空間に映像を落とし込むだけではなく、造作物に投影することでより幅広い演出が可能になります。

 

 

今、注目のモーショングラフィックス

 

モーショングラフィックスの技術は日々進化をしています。

5Gの拡大に伴い、スマートフォンでモーショングラフィックスを視聴する機会が大幅にアップしました。動画配信サービスもアプリなどスマホでの視聴を前提とし、多くの人がパソコンではなくスマホで動画を見るようになったのです。そして、SNSを起点に動画を視聴する機会も増えたことから、InstagramやTikTokなどに使用されることを想定した「縦型映像」が一つのトレンドです。

H&Mの世界観を体験できる空間『H&M HOUSE Forest』のプロモーションムービー。

縦型動画は、あたかも自分で撮影しているような没入感を演出できるだけでなく、SNSのタイムラインに大きく表示されることで注目してもらいやすいこともメリットです。また、全身撮影が容易に出来ることから、アパレルブランドなどで多用されています。

 

そして今、注目を集めいているのが「インタラクティブ動画」。視聴ユーザーがタップやクリックなどのアクションを起こせる要素を動画内に持ち、コンテンツ視聴だけでなく参加を促すことができる動画広告です。

引用:New Balance Japan 「ニューバランス原宿」5周年記念のインタラクティブ動画。動画をタップorクリックしてオンラインショッピングができる。

 


 

これからも進化するモーショングラフィックス

 

モーショングラフィックスはダンスのようなもの。心地いいリズム、激しいリズム、伝えたい情報に合わせた動きで想いを表現・伝達します。言葉が通じない環境でジェスチャーを使うように、動きを持たせることで最大限に伝わる最適な方法と言えるのではないでしょうか?

スマートフォンでいつでも動画が見れる世の中になり、商品説明などでもモーショングラフィクスが使用されるようになりました。PCの進化と共に一般的になってきたモーショングラフィックスですが、これからも技術の発展とともに広がり続けていく表現方法の一つであると感じています。