2015年に国連総会でSDGs(持続可能な開発目標)が採択され、今年で7年目に入りました。
各企業やブランドでの取り組みが当たり前になった今、SDGsはどのような進化を遂げたのでしょうか?どういった取り組みが増えてきており、広く認知されてきたのでしょうか?
2030年の目標達成に向けて更に加速するSDGs時代。世の中の今を知ることで、見えてくるその価値がありそうです。
SDGsは考え方も、素材も、やさしくて面白い!
過剰に供給量を増大させる「過剰生産」の仕組みが残っているアパレル業界や化粧品業界。しかしそんな中、商品ができあがるまでに関わる多くの部分を、エシカルでサスティナブルな方法で解決・実現する日本のブランドを紹介します!
信用できるモノづくり 『EQUALAND (イコーランド)』
『EQUALAND (イコーランド)』は、ジェンダーも着る場所も、隔ての無いファッションを提案する日本発のブランドです。 商品タグには、綿花生産者から技術者・デザイナーに至るまで、製造に携わる全ての人々の自筆署名が印刷されています。染めは、日本生まれのボタニカル・ダイを使用。長い年月をかけ、水質から検証し、日本の水でしか染色できないとこのとです。
容器も中身も地球にやさしい 『パルシステム “地球の未来にまじめなボディソープ”』
プラスチックごみの削減は、世界的な課題の一つ。そんな中パルシステムは、少しでもプラスチックごみが減ることを願い、紙パック容器のボディソープを作りました。ボディソープは生産者の顔が見える透明性のある産直原料を使用し、安心して気持ち良く使用することができます。
まるごとSDGs!
SDGsへの取り組みとして、はじめの一歩で商品や考え方の一部分がSDGs……といったものはよく目にするのですが、端から端までまるごとSDGsを体現し、徐々に認知が広がっている例もあります。
徹底されたサスティナブルファッション 『BOODY(ブーディー)』
オーストラリア発のアパレルブランド『BOODY(ブーディー)』 では、ECOCERT(エコサート)オーガニック認証 (※1) を取得の森林からとった竹を原料とし、独自基準の品質基準をもとに商品が作られています。 OEKO-TEX®(エコテックス)認証 (※2) 取得済みで、原料となる竹の収穫から商品が届くまでの工程において、責任と透明性を保っています。WRAP (世界規模の責任ある認定生産) (※3) のゴールド基準もクリア。“1% for the Planet”のメンバーとして、商品の売上の1%を自然環境保全・復元などのエシカルな活動に寄付しています。
(※1) ECOCERT(エコサート)/オーガニック認証 :フランス・トゥールーズが本拠地の「ECOCERT(エコサート)」は1991年に設立された国際有機認証機関。ヨーロッパで規定されているオーガニック基準を満たしているかを厳しく検査し、認定を行なっており、世界のスタンダードとなっている。(参考:ECOCERT https://www.ecocert.com/ )
(※2) OEKO-TEX®(エコテックス)認証 :スイスのチューリヒを本部に、欧州15ヶ国と日本の独立した検査研究機関が加盟する、エコテックス®国際共同体。日本の安全基準をはるかに超える、350種以上の有害物質を対象とした世界最高水準の安全性をはじめ、生産にたずさわる人、環境への負荷にも配慮した、人と地球にやさしい繊維製品の証。 (参考:エコテックス®日本公式サイト https://oeko-tex-japan.com/ )
(※3) WRAP (世界規模の責任ある認定生産) :WRAPは、合法的・人道的・倫理的な製造を世界中で推進・認定するための独立した非営利法人です。WRAP、2000年に設置された、労働集約的な消費者向け製品の製造・処理のための世界最大の労働・環境認定プログラムです。 WRAPは、36の国内協会と150,000を超える企業を代表する国際アパレル連盟を含む、25の国際同業者団体に支持されています。WRAP原則は、労働慣行、工場条件、環境・税関に対するコンプライアンスを扱う基本基準をカバーしています。 この原則は、以下の12の要素から構成されています。法律および職場の規定への遵守 ・強制労働の禁止・児童労働の禁止・ハラスメントや虐待の禁止 ・報酬および手当・労働時間 ・結社および団交の自由・健康と安全・差別の禁止・環境 ・税関コンプライアンス・セキュリティ(参考:WRAP監査|SGSジャパン https://www.sgsgroup.jp/ja-jp/sustainability/social-sustainability/audit-certification-and-verification/social-responsibility-audits/wrap-audits#:~:text=WRAP%E3%81%AF%E3%80%81%E5%90%88%E6%B3%95%E7%9A%84%E3%83%BB%E4%BA%BA%E9%81%93,%E5%8A%B4%E5%83%8D%E3%83%BB%E7%92%B0%E5%A2%83%E8%AA%8D%E5%AE%9A%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82 )
今注目のアクション厳選20を紹介! 『FRaU SDGs AWARD』
⽇本で唯⼀、丸ごと⼀冊SDGsを特集し続ける『FRaU』。本格的にSDGsに取り組み始めて3年たった中で、アワードが開催されました。今ホットなSDGs情報から考え方、実践方法までこの記事を読むだけでもSDGsに対する理解が深まります。
たくさんの人にSDGsに参加してもらおう!
企業としての取り組みを紹介するとともに、SDGsを考えてもらうきっかけを作るという、お互いにとってやさしい企画を行っている企業を紹介します。
未来を変える おかし大募集! 『森永製菓』
サスティナブルなおかしって、どんなおかし?という題材のもと、森永製菓株式会社の「チョコボール」「ラムネ」「おっとっと」をベースに、SDGsの目標達成につながる未来のお菓子のアイデアを募集するキャンペーン。子どもたちに身近なものとSDGsが結びつき、更なる理解を深めるきっかけになっています。
アップサイクル衣服の製作開始!『ネスレ日本』
ネスカフェと日清紡グループがコラボレーション。共同で紙のパッケージやコーヒー残渣(※4)を活用し、身近なものへと生まれ変わらせるアップサイクル(※5)の取り組みを開始。 紙の空きパッケージの回収BOXを設置し(取り組みに賛同した「ネスカフェ アンバサダー」プログラムに参加中のオフィスにも設置予定)、集めた空きパッケージは、T シャツやエプロンにアップサイクルし、「ネスカフェ 原宿」等、直営店のユニフォームとして使用されます。 この取り組みへの参加を通じて、家庭やオフィスで環境配慮について話す機会を生みそうです。
引用:https://www.nestle.co.jp/sites/g/files/pydnoa331/files/2022-03/20220224_nestle_3.pdf
(※4) ネスレ日本直営カフェ「ROASTELIER by NESCAFÉ 三宮」でコーヒーを抽出した後に発生する残渣等。
(※5) ゴミになってしまう物を価値のある物に変える試みのこと。
SDGs時代の今
CMでもよく目にするようになったSDGs。各企業やブランドでの取り組みが当たり前になった今、一般消費者は何を見て感じて商品や、イメージの良い企業を選ぶのでしょうか。 モノづくりや考え方の背景に、エビデンスや心の通ったものがきちんと見えれば、市場価額より少し上でも認知され選ばれていく。SDGsが浸透したからこそ、一人ひとりの消費者がより取捨選択する時代になってきたように感じます。
自社内でSDGsへの取り組みを推進する場合、専門知識や経験のある適任者がおらず、不安を抱えたまま進めることもあると思います。 作り手と売り手、消費者と企業など様々な関係性の垣根を越えて、より共感性の高いSDGsへの取り組みを一緒に目指してみませんか。
SDGsについて研究するパールイデアのタスクアップチーム。世の中の動向に日々目を光らせ、情報収集し、商品開発に生かしています!