SDGsをはじめ、各企業がサスティナブルな社会の実現に向けて、取り組みを強化しています。
最近では、2020年1月よりスターバックス コーヒージャパン株式会社が紙製ストローへの切り替えを行ったり、大手スーパーもレジ袋有料化を進めています。そして、消費者の間でも環境意識は今後もますます高まっている今、小売業界含めた私たちは、環境問題についていよいよ真剣に取り組まねばなりません。
今回は、ドイツ デュッセルドルフにて開催されたリテール業界世界No.1の見本市EuroShop 2020において世界に先駆けて発表をしたバイオプラスチックマネキン【 ADAM & EVE 】を取り上げ、弊社の環境への取り組みをご紹介します。
プラスチックをめぐる世界の動向
地球上でどれだけのプラスチック製品が製造されているかご存知でしょうか?
環境省のデータによると、1950年以降に製造されたプラスチックの総量は83憶トンにのぼるそうです。そのうち、63憶トンである約75%がゴミとして廃棄されてきました。これは、東京スカイツリーの重さに換算するとなんと約17万個分!
出典:環境省ホームページ
【プラスチックを取り巻く国内外の状況】 https://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-03/y031203-s1r.pdf
ちなみに、回収されたプラスチックごみの8割が埋め立て、もしくは海洋等へ投棄されており、これが今問題となっている海洋プラスチックごみ問題につながっています。
プラスチック廃棄量については、今後もさらに増えていくことが予測されており、2050年までには120憶トン以上ものプラスチックが埋め立て・自然投棄されてしまいます。
想像もできないような廃棄量ですが、このような現状を改善するために、各国・各企業が環境への取り組みを本格化させています。例えば、プラスチック製レジ袋を有料化、もしくは使用停止する。また、バイオ素材を使用したプラ製品に切り替えていく。そのために数百憶規模の投資を行っている企業もあります。
SDGsをはじめ、この地球規模の問題に対して、どの企業も個人も、本腰をいれて取り組まねばならない時代がきています。
植物由来かつ生分解性のバイオプラスチックマネキンを世界初開発!
プラスチック製のマネキンを扱う私たちも例外ではありません。
レンタルビジネスにより商品寿命を限りなく伸ばし、長く大切に商品を扱ってきたことは事実です。一方で、持続可能な社会の実現に向けては、プラスチック製商品自体も見直していかねばなりません。
今回私たちは、植物由来かつ、生分解性(土中でバクテリアにより水と二酸化炭素に分解されること)のバイオプラスチックをもちいたマネキンの開発に成功しました。
バイオプラスチックマネキン 3つのポイント
バイオプラスチックマネキンの3つの優れた点をご紹介します。
まず第一に、今回使用したバイオプラスチックはトウモロコシ等を原料とした植物由来のポリ乳酸からできており、かつ土中でバクテリアにより分解される生分解性をあわせもつ、環境に優しい素材であるということです。
次に、品質面においては耐熱性・耐衝撃性・柔軟性に優れ、従来のポリ乳酸製品よりも優良な性能を兼ね備えています。また、製造技術面においては、大型商品の製造には不向きとされてきたポリ乳酸に特殊な改質をされた原料を用いることで、世界的にも類を見ない植物由来の原料を用いたマネキンの製造を実現しています。
3点目は、製品の均一化と、製造スピードの向上の実現です。従来のマネキン製造方法である手作業によるFRP工法ではなく、ブロー成型による製造手法を用いることで可能になりました。従来のマネキンと同程度以上の品質も確保できており、また性能面においては、従来工法では難しかった製品精度の均一化、軽量化を適えています。そして製造環境面においては、歯止めの掛からない国内製造工場・及び製造熟練者の減少に対応し、機械生産を可能にしたことで製造スピードを大幅に向上させることが実現しました。
EuroShop 2020に出展! バイオプラスチックマネキンの新作リリース
2020年2月に、リテール業界世界一の見本市EuroShop(ユーロショップ)に出展いたしました。
4度目の出展となる今回、過去の展示においてもその時代の旬を切り取った独自のマネキン提案に挑戦してまいりました。そして、世界の著名なマネキンメーカーが軒を連ねる中で、日本発のメーカーとして国内外の市場に対して何ができるのか、世界の小売市場で今何が求められているのかを考え続けてまいりました。
今回の展示コンセプトは、世界で一番の関心を集める「サスティナビリティ」です。
リンゴを食べてしまい、「永遠の命ではない = “自然に還る”」存在となってしまったアダムとイブと、天国のような美しい楽園である”エデンの園”をモチーフに、”自然に還る”バイオプラスチックマネキンをリリースしました。EuroShopにて初披露となった新作「アダム&イブ」は、今後順次商品紹介をしてまいります。
今まで私たちは、マネキンのレンタルというビジネスにより、サスティナブルな事業を展開してきたと自負しております。また、環境配慮素材を活用したオリジナルブランドである「ECOX(エコックス)」シリーズを発表し、第1弾としてPET樹脂を用いたマネキンの開発にも取り組んでまいりました。今後、ECOXシリーズをさらに進化させ、バイオプラスチックプロダクトの開発を通じて、さらにサスティナブルを追求していきたいと考えています。
私たちは、”空間”という領域で、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを今後も強化していきます。同じ考え方をお持ちの多くの皆様とともに、サスティナブルな社会を共創してまいりたいと思います。
オペレーションマネージャー。経営企画を担当。組織の「横軸」として、全社を縦横無尽に横断しています。休日はアウトドアでリフレッシュ。