Eコマースのように、リアル店舗で訪れたお客様の好みや行動を知ることができたら、売り場を今よりももっと、訪れた人にとってより良いものにできると思いませんか?
今回は、店内の顧客行動分析が可能なツールをご紹介しながら、そのメリットと使用シーンを見ていきます。
ショップサイエンスから考える、今売り場に必要なことは?
ECで買い物するメリットとは何でしょうか?
お客様にとっては “どこでも買い物が出来て、決裁の利便性があること” 、お店側にとっては “お客様のログ情報によって、お客様の好みがわかりやすい”ということが言えます。裏を返せば、このメリットがリアル店舗では埋められない溝なのかもしれません。
近年、小売店を運営しているお客様から「リアル店舗でお客様の行動情報を取得したい」とのご要望を多く伺う機会が増えてきましたが、これまでのVMDでは「人間の行動心理」や「人間工学」に基づき、プロの感や経験から行動を分析していたのです。
しかしリアルタイムで正確な数字の可視化や行動分析までは、勘や経験では難しい事も事実。 この問題を解決するのが「ピープルカウンター」といわれる人感センサーカメラが内蔵された電子デバイスです。
渋谷PARCOや東急プラザなどの話題の商業施設をリサーチしてみると、店頭入口付近の天井に多くのピープルカウンターが設置されていました。
しかし、様々なピープルカウンターの機種を検証したところ、直接天井に取り付けが必要であるため専門工事が必要であったり、ダクトレールに直接取り付けることが可能なタイプもありましたが、結果、上からの視点では通行量や滞在時間はカウント出来ても、一番店頭で必要な年齢・性別などの情報は、帽子や髪の毛が邪魔して顔が認識しにくく、判断レベルが低下することがわかりました。
機種にもよりますが、弊社が調べた機種では正確に判断する為に必要な設置高さは1m50㎝から2m40㎝くらいまでだそうです。店内でその高さにカメラを設置した場合、ファッションを扱う店内ではむき出しのカメラが不似合いである事と、視界の中にカメラが見えるとお客様は警戒してリラックスして買い物が出来ないというマイナス課題も考えられます。
では、売り場イメージを損なわず、かつ、至近距離でも人の目を引けるものとは何でしょうか?・・・そう、マネキンです。
パールイデアでは、アパレル店舗には不可欠なマネキンにカメラを仕込むことで両方の課題解決ができる商品開発を行いました。マネキンに入れるとなると小型軽量が必要になるため、最新の小型カメラを採用しています。
電気工事やコンセントも不要! 使いやすさも考えられたマネキン
店頭でピープルカウンターを設置する箇所はステージやテーブルや陳列什器付近となりますが、既存店の場合はほとんどの場合はコンセントはありません。床に電源コードを這わしたり、天井から垂らすのは多くのアパレル店舗では避けたいため、人感センサー付きマネキンの電源にはモバイルバッテリーを使用できるようしました。バッテリー容量20,000mAhのもので20時間程度の電池駆動時間(※使用環境により変動します)。
集めた情報はLTEドングルを使用してインターネットに無線接続接続します。それによりPOP UP STORE等でも簡単に利用できるようになります。 人感センサー本体は販売できませんので、期間契約での使用料(メンテナンスと情報使用料込み)と通信料契約が別途必要となります。
人感センサーカメラで集められる行動や属性データが、より良い買い物体験づくりにつながる
カメラからクラウドに送られたメタデータを基に、来店客の人数カウント情報に加えて、性別・年齢の属性データや滞留時間を目的に応じて集計・分析し各種グラフで表示。データはCSV形式で出力でき、グラフを保存することも可能です。
複数カメラを設置することで店内の平面ヒートマップも提供可能です。これにより店内で実際のお客さまの動線チェックや、お店のターゲットとする年齢層の人が、実際に店頭に多く来る時間帯を正確に把握出来るため、販売員の効率的なシフト計画等にも役立てられます。
また、カメラで撮影した画像は、カメラの中で即時にデータ化され、映像は記録されずにクラウドには文字情報のみが送られる為、通信料も安価で、お客様の個人情報保護にも役立てられます。
リアル店舗はますますインターネットとつながり、デジタルと融合するオムニチャネルへと進化していきます。データ分析が得意なECの良いところを上手くリアル店舗にも導入し、店舗体験をさらにより良いものへと変えていく。ピープルカウントマネキンは、そのための一つの武器になると確信しています。
また、人感センサーカメラは小型軽量ですので、マネキン以外にもディスプレイツールや什器上部の造作に一体化させて埋め込むことも可能です。ご興味のある方はぜひともパールイデアの担当者にご相談ください!
クリエイティブディレクター 兼 開発マネージャー。企画/デザイン部門を統括。ライフワークバランスを大切にし、週末には磯釣りをすることで心身共にリセットしています。