パールイデアの公式オンラインストア『@IDEA(アットイデア)』。「日常に「アッ!」と おどろく アイデア を」をコンセプトに、商空間に携わり続けて68年のパールイデアのスキームと地場の素材、そしてそれを加工するプロフェショナルなパートナー陣の匠な技術を掛け合わせ、「ありそうで無かった」商品を日々開発しています。
岐阜県生まれのパールイデアは、岐阜県飛騨市広葉樹活用推進コンソーシアムで推進されている「飛騨市広葉樹のまちづくり」の取り組みに賛同し、空間づくりにおける「広葉樹」の活用を進めています。今回はそんな広葉樹でつくった商品「SPIRAL TREE by Helix」をご紹介します。
針葉樹と広葉樹の違いとは?
樹木は一般的に大きく「針葉樹」と「広葉樹」に分けられます。
針葉樹
日本に生えている天然林の20%が「針葉樹」と言われてます。針葉樹は、針のように細く尖った形状の葉で、樹形は上に真っすぐ伸び育ち、尖った三角形になるのが特徴。冬でも葉が落ちず、人が植えたものが多いです。成長が早くまっすぐ伸びるので、家の柱など木材としての使用に向いています。早く生育する分軽く、密度も低くて柔らかい材質で、木材の色は明るめのものが多いです。種類は500種で、代表的なのはスギ、ヒノキ、マツ、モミなどがあります。
広葉樹
一方、日本の天然林の80%という大部分が「広葉樹」です。広葉樹は、葉は広く平たい形状で、楕円形、ギザギザの切れ込みなど個性豊か。樹形は枝分かれして育ち、こんもりと丸くなるのが特徴。冬には葉が落ち、自然に生えたものが多いです。また、ゆっくりと成長する分重く、密度も高くて硬い材質が特徴なので、テーブル・椅子などの家具や床材に使われている素材です。また、細胞密度が高いことから薪としても抜群の火持ちの良さです。種類はなんと20万種あり、代表的なのはカエデ、ナラ、ブナ、サクラ、クリなどがあります。
広葉樹のまちづくり
パールイデアの本社所在地である岐阜県には、日本屈指の森林面積を誇る飛騨市があります。飛騨市の森林率は驚異の93.5%で、自然豊かな癒されスポット。この森林のうち68%を広葉樹天然林が占めるという特徴を有します。ブナに代表される豊富な森林資源と家具加工の高い技術により、飛騨市・高山市を中心に日本有数の家具産地となりました。
その一方、飛騨市が平成28年度に実施した市内民有林を対象にした資源量調査によれば、その多くは平均胸高直径(胸の高さの直径)が26cm程度またはそれ以下の「小径木(しょうけいぼく)」であることが判明。これは大部分が山の斜面から上に伸びているため、曲がりくねった細い樹木が多くなってしまうのです。小径木の森林にある広葉樹の胸高直径の平均なのですが、家具等に使うには細くて向かないため、主にパルプ・チップ、または薪にしかならないという評価です。
そこで岐阜県飛騨市が2014年から取り組んでいる「飛騨市広葉樹のまちづくり」。広葉樹の価値を高め、日本の林業界に革命を起こすプロジェクトです。小径木の価値を高めていかなければ、森林への適切な手入れを持続的に行うことができません。目指すは広葉樹の新たな活用方法を生み出し、そこから生まれた利益が森林に還元される持続可能な仕組みをつくること。この課題の多い地域材(更新伐=更新を促しつつ生産と両立させる小規模皆伐)の広葉樹を有効利用することで林業を守る事に繋がり、飛騨の美しく色づいた広葉樹林を次世代へ残す取り組みの一環となっています。
「100年後も、飛騨の美しく色づいた広葉樹林を次世代へつむいでいけるよう岐阜県飛騨市は広葉樹のまちづくりに取り組みます。」・・・とてもグッとくる活動に、岐阜県の企業としてパールイデアも何か協力ができないか?と、今回のプロジェクト参画となりました。
個性的だから面白い!多様性のある広葉樹の魅力
5年ほど前から何度も飛騨の山へ通い、どのように広葉樹が生息し伐採されるのかを体験すると共に、飛騨市古川町の製材所「株式会社やまかわ製材舎」の代表で、飛騨市広葉樹活用コンシェルジュ・及川 幹(おいかわ もとき)様のご協力のもと、現状抱えている問題などを伺い学んでいます。
小径木の新しい価値を創造するために、これまでにない価値の高い木工製品の企画を!とスタートしたこのプロジェクトですが、最初にぶつかった壁は「乾燥」について。天然木を使用する場合は乾燥が絶対条件であり、自然乾燥となると伐採から1年以上歳月が必要となるそうです。しかし今回はパートナー企業様のご協力により、強制乾燥機を使用させていただくことで乾燥期間の短縮が出来るようになりました。また、瘤(こぶ)のある部分や皮が付いたものなど、おもしろい広葉樹の優先提供もいただいており、企画の幅が拡がりそうでワクワクしています!
ぬくもりのある商品ができました
さまざまな木材を見て、触って、香って、何度も検証を重ね、「楢(ナラ)・胡桃(クルミ)・栃(トチ)・朴(ホオ)・ウダイカンバ・ブナ」の6種類の広葉樹を使用することにしました。サイズ選別し、ある程度の同じ大きさの板状に加工を行うのですが、ここでも固い木・柔らかい木、そして色も千差万別のため、完成までを想定しての選別がポイントです。そして出来上がったのが「SPIRAL TREE by Helix」です。
熟練した木工職人がひとつひとつ丁寧な手作業で制作しており、小さなお子様が手にしても問題がないように何度も何度も削りを重ね、あえて無塗装で仕上げています。
自然のぬくもりをそのままお届け出来るように、小さな穴や節などはあえてそのまま残しています。木の並びもランダム且つバランスの良い組み合わせになるように、何度も試作を重ねました。
サイズはテーブル上や棚上にピッタリのSサイズ(W225 D225 H425mm )と、フロアに置いて存在感のあるMサイズ(W500 D500 H1,045mm)の2種類。カタチを自由に変形できることで、表情の変わるインテリアとしてお楽しみいただけます。
三角形と星形の2つのヘッドが付属されています。三角形ヘッドを取り付ければ、通年お楽しみいただけるシンプルなツリー型に。星形ヘッドを取り付ければ、クリスマスツリーに大変身!Mサイズの枝には切込みが入っており、既成のオーナメントを引っ掛けて吊り下げる事もできます。
ちなみに商品名にある「Helix」とは、@IDEAのサスティナブル商品ブランドです。英語で「螺旋」を意味するこのブランド名は、カタチを変える事で螺旋の様に循環し、アップデートしていく様を表現しています。
玄関先で、リビングで、シンプルで味のある飛騨の森林のぬくもりを、是非ご家庭でお楽しみください。
日常に「アッ!」と おどろく アイデア を!
@IDEAでは、厳選されたサスティナブル素材を使用しアート要素をプラスした商品や、商空間デザインをご家庭用に使いやすくアップデートしたインテリアなどのラインナップを今後続々とリリース予定です。
曲がりや節・・・様々な木目や色・・・多様性の塊のような素材「広葉樹」を使用し、様々なアイテムにアップデートさせることは、とても興味深くワクワクします。 工業製品化された素材ではなく、あえて自然の広葉樹をアップサイクルし使用することは、大量生産・大量廃棄が問題視されている現在、私たちの新たなミッションと考えております。
「飛騨広葉樹のまちづくり」に参加し、広葉樹の森を伐採することで、素材としての利用と、次世代の森への循環とを両立させることを目指しています。「利用と更新・循環」をテーマに今後も、飛騨の広葉樹を使用した「アッ!」とおどろく商品を計画中です!
徹底した日本のものづくりに拘った、10年・20年と長く愛用頂ける選りすぐりの商品群を展開してゆきます。最新のリリース情報はinstagramで随時発信しますので、是非フォロー&チェックしてくださいね!みなさまが「アッ!」と驚くお気に入りの商品を@IDEAのサイトで探してみてください!
https://at-idea.pearl-idea.co.jp/
トップアートディレクター。いつまでも好奇心=ワクワクを大切にし、プランニングに反映する。店舗環境にデジタルを+(プラス)していく開発リーダー 兼 オフィスファニチャー開発リーダー。主に映画からヒラメキを得ています。